レモンの文化芸術

読んで美味しいレモンもある!梶井基次郎の小説「檸檬」

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台風が来ていますが、みなさんのところは大丈夫ですか?
もうこうなったら絶好の読書日和と捉えて本を読みましょう。
ということで、今日は梶井基次郎の小説「檸檬」について
語っていきます。

ブログを書くにあたって梶井基次郎とはどのような人か
いろいろ目を通したんですが、いや、
短い生涯でさまざまな苦労をしてきた方なんだなぁと。
思わず本編よりも生涯の方を読み込んでしまいました。

それほど小説「檸檬」自体は短編で
あっという間に読めてしまいます。

最近はアプリでも気軽に読めるのでみなさんも是非。

さてさて、私、偉そうに名作に書評などできないので、
ただのレモン好きの目線で語っていくことにします。

 

まるで読む映像美

私はまたあの花火というやつが好きになった。花火そのものは第二段として、あの安っぽい絵具で赤や紫や黄や青や、さまざまの縞模様を持った花火の束、中山寺の星下り、花合戦、枯れすすき。それから鼠花火というのは一つずつ輪になっていて箱に詰めてある。そんなものが変に私の心を唆った。

まず全体的に色彩やモチーフの描写が多いんです。
読んでいると映像が頭の中にすぐに浮かんで来るんですね。
それも美しい色と形をしたものがポンポンと。
そして人はこうあるべきという押し付けがましい主義主張がないんです。
『僕はこう感じた』というだけ。
なので、小説にも関わらず詩みたいなんです。
そういう文章だから読んでいてとても心地いいんですよ。

 

五感で語る檸檬愛

では、レモンに関するところを重点的に見てみるとどうでしょう。

[視覚]

いったい私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。

 

[触覚]

その檸檬の冷たさはたとえようもなくよかった。その頃私は肺尖を悪くしていていつも身体に熱が出た。事実友達の誰彼に私の熱を見せびらかすために手の握り合いなどをしてみるのだが、私の掌が誰のよりも熱かった。その熱い故だったのだろう、握っている掌から身内に浸み透ってゆくようなその冷たさは快いものだった。

 

[嗅覚]

私は何度も何度もその果実を鼻に持っていっては嗅いでみた。それの産地だというカリフォルニヤが想像に上って来る。漢文で習った「売柑者之言」の中に書いてあった「鼻を撲つ」という言葉が断れぎれに浮かんで来る。そしてふかぶかと胸一杯に匂やかな空気を吸い込めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかった私の身体や顔には温い血のほとぼりが昇って来てなんだか身内に元気が目覚めて来たのだった。

自分の五感を用いてレモンの魅力を多面的に描いています。
鋭い五感と表現力がある人にしかかけない文章ですね。
黄色い皮に包まれた丸い紡錘形のシェイプの美しさもよくわかるし、
レモンの香りが「鼻を撲つ」というのは誰もがその通りと思うでしょう。
また、体の中から元気が出て来る感じは、本当にレモンに含まれる精油の特徴そのもの。どれもが同じレモン好きな私が頷いてしまうほどよく描かれています。

 

そして、

実際あんな単純な冷覚や触覚や嗅覚や視覚が、ずっと昔からこればかり探していたのだと言いたくなったほど私にしっくりしたなんて私は不思議に思える――それがあの頃のことなんだから。

とあるのも、ものすごく共感します。
大昔はこんなに好きではなかったはずなのに、
いまでは昔からずっと好きだったような感覚
でいるのですから。

あまり最後まで書くと読む楽しみがなくなるのでこの辺で。
本当に短いので気軽に読めます。
最後の方の丸善でのレモンを爆弾に見立てた妄想はなかなか面白いですよ。

 

小説「檸檬」ゆかりの地

ちなみにこの小説に出てくる果物屋さんと丸善の場所を調べたので
載せておきますね。
京都に行ったときはちょっと寄り道するのもいいですね。

主人公が檸檬を買った場所:八百卯跡地
主人公が檸檬を買った場所:丸善跡地(大まかな場所)

 

梶井基次郎全集〈第1巻〉

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とにかくレモンが好きでレモンについての情報を発信しています。 博報堂子会社でコピーライターやってフリーに。 教えて!gooなどでずっとコラムを書いてました。

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